僕の実家は母親と長男・次男・三男(僕)の3兄弟の合計4人という家族構成だった。
今でこそなんの隔たりもなくとても仲がいいが、幼少の頃から10代半ば位までは兄貴というのは少し怖い存在であった。
今回はそんな次男の兄貴との間に起こったある事件を書こうと思う。
【思い出】兄貴と空飛ぶ「井出洋介の麻雀家族」
これは僕が高校生の時の話。
この頃の兄貴は
ちょっとつっぱっていたこともあり、まさにこんな感じだったように思う。
しかしそれでも普段は特別仲が悪いというわけではなく、もちろん一緒に遊んだり笑ったりして暮らしていた。
そんな日常の中でこの事件は起こったのです。
この頃兄貴は麻雀を覚えたてで、もっと麻雀のことを知りたい・わかりたいという時期だった。
今の時代も変わらないと思うが、麻雀を覚えるために一番手っ取り早いのは「麻雀のテレビゲーム」をやること。
麻雀のルールがあまりわからない状態でやっても、切ってはいけない牌は切れないし、あがってはいけない状況ではあがれないし、手役の形なんかも教えてくるので初心者が覚えるためにはまさに最適な教材だと思う。
ということで、兄貴は麻雀を覚えるために麻雀ゲームがとてもやりたかった。
しかし困ったことに、家にはその肝心の麻雀ゲームがなかったのです。
そこで高校生だった僕はクラスメートに麻雀ゲームを持っている人はいないか聞いた所、友人のT君がプレイステーションの「井出洋介の麻雀家族」というソフトを持ってたので、お願いして貸してもらったのです。
※この時代は初代プレイステーションが時代の最先端の時代!CDロムのソフトが主流でした
※井出洋介先生は今も現役のプロの雀士!
そしてこの日から兄貴は自分の部屋で「井出洋介の麻雀家族」で遊びだしたのです。
丁度友達が麻雀のソフトを持っていてよかった。
これには兄貴も喜んでくれただろうと安寧の日々の訪れを感じていた。
ありがとうお友達。
ありがとう井出洋介先生。
そして数日後…
何かの用事で兄貴の部屋を訪れると、そこにはとてもイライラした様子で「井出洋介の麻雀家族」をやっている兄貴の姿が…!!
い…一体なぜ兄貴は怒りながら「井出洋介の麻雀家族」をやっているんだ…?
聞いたか聞いていないか定かではないが兄貴は語りだす。
「このゲームよぉ!全然うまくいかねえんだよ!!」
「あがれそうになってもちっともあがれねえし!!」
「しかも相手がすぐにあがっちまうんだよ!!」
「いかさまだらけでつまんねえんだよ!!」
「クソゲ―が!!」
ぶつぶつと文句を言いながらゲームを進める兄貴。
そして次の瞬間…!!
「ロン!」(対戦相手があがったセリフ)
その刹那、兄貴は目にも止まらぬ速さでプレイステーションのゲームのCDロムが入っている蓋を開け、くるくると回っているCDを流れるような動きで抜き取り、そして
全力で投げた。
綺麗に水平方向へフルスロー。
ものすごい勢いで飛んでいくCDはまるでフリスビーのようだった。
そしてCDはそのまま壁にぶつかり音を立ててばらばらに砕け散った。
友達から貸してもらったゲームのCDロムが粉々。
友達から貸してもらった井出洋介がバラバラ。
後日、友達には弁償すると謝ったが、もうやってないゲームだったから別にいいよと許してくれた。
結論。
弟が友達から借りてきたCDはフリスビーのように投げてはいけない。どんなに頭に来てもだ。
コメント